債券投資を分かりやすく

債券の種類

 まずは債券の種類から見ていきましょう。債券には、国債、地方債、政府関係機関債、金融債、社債、特定社債、外債があります。当サイトでは、上記債券のうち私たちに最も身近な債券は国債を中心に説明をいたします。

国債

 国債は償還日までの期間により細分する事ができ、個人向け国債は次のように区分する事が出来ます。

商品名

変動金利型10年満期

固定金利型5年満期 固定金利型3年満期
満期 10年  5年  3年
変動・固定 変動金利 固定金利 固定金利
設定方法 基準金利×0.66 基準金利-0.05% 基準金利-0.03%
下限 0.05%
利息の受取 年2回
購入単位 最低1万円から。1万円単位で購入可。
償還金額 額面100円につき100円で償還。
解約手数料 中途換金調整額=直近2回分の税引き前利息相当額×0.79685

 国債は毎月発行され、証券会社、メガバンク、地銀、信託銀行、信用金庫、ゆうちょ等で購入できます。

 

 その他の債券の特徴は次の通りです。

 

地方債

 

 地方公共団体の発行する債券です。公募はされていますが一般の投資家は取得できず、取得できるのは地域住民に限られます。

 

政府関係機関債

 

 独法・政府関係の特殊な会社が特別の法律に基づいて発行する債券です。一般向けの債券ではありません。

 

金融債

 

 特別法に基づいて金融機関が発行する債券です。一般向けの債券ではありません。

 

社債

 

 民間の事業会社が発行する債券です。証券会社で購入できるものもあります。

 社債には転換社債型新株予約権付社債のように、一定の条件を満たしたときに株式に転換できるものもあります。

 

特定社債

 

 資産の流動化に関する法律に基づいて特定目的会社の発行する債券です。資産担保証券の一種です。こちらは一般向けの債券ではありません。

 

外債

 

 外債の定義は、居住者が国内で発行した債券以外、となります。海外の発行体が円建て債券を発行・募集したものをサムライ債といいます。また外貨建てで発行・募集されたものを外貨債といいます。こちらは証券会社などで購入できます。


債券投資のリスク

 債券投資は一般的に定期預金より高い利回りが見込め、株式投資より安全であると言われます。しかし債券投資にもリスクはあります。

 

 1つ目は債券の金利リスクです。金利リスクは金利の変動に伴う債券価格の変動のリスクをいいます。これは債券の価格と金利がトレードオフの関係にあり、金利が上昇すれば債券価格が下落するからです。

 

 金利リスクは償還期限の長い債券のほうが大きくなります。また高クーポン債と低クーポン債では金利が変動した場合の価格変動幅は低クーポン債のほうが大きくなります。さらに他の条件が同じであれば、変動利付債より固定利付債のほうが価格の変動が大きくなります。

 

 2つ目は信用リスクです。信用リスクは債券の発行体が債務不履行に陥って額面通り償還されなくなるリスクをいいます。

 

 信用リスクの管理は私たちが発行体の事業環境や財務諸表を読んで検討するのがあるべき姿勢です。しかし検討には専門的な知識が求められるので、格付機関が公表する債券の格付けを参考にするのが一般的です。

 

 格付けではトリプルAからCまでの9段階で債券の信用リスクを評価します。格付け機関としてムーディーズやスタンダード&プアーズ(S&P)等があります。 

 

 3つ目はカントリーリスクです。発展途上で政情不安定な国の国債は元利金の支払いの遅延やデフォルトする可能性が相対的に高くなります。

 

 4つ目は為替変動リスクです。外貨建ての債券の場合、為替相場の変動によって為替差損益が発生します。

 

 5つ目は流動性リスクです。流動性リスクは好きなときに売買できず損失額が広がる事を意味します。

 

 例えばトヨタ自動車の株式の場合、取引が活発に行われているので好きなタイミングで売買できます。買い手が沢山いるので売るのに困らないのです。

 

 これが流動性の低い有価証券になると買い手がなかなか現れないので好きなタイミングで売ることができません。そのため希望額を大きく下回る金額で売却せざるを得ないときがあります。これが流動性リスクです。